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講演録

:北海道女性医師の会が開催した講演会のご紹介です。

「このままでいいの?DVと医療」講演会報告

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道北勤医協一条クリニック 佐久間文子

kouen 底冷えのする2月13日、「DVと医療」をテーマにした市民講演会が札幌駅に面する佐藤水産文化ホールで開催されました。

寒さの中、宣伝も不十分だったにもかかわらず50名ほどの聴衆の参加がありました。講師は大阪で全国初の民間組織「性暴力救援センター・大阪(SACHICO)」を開設準備中の産婦人科医 加藤治子さんと、札幌で女性の人権ネットワーク事務局「女のスペース・おん」代表の近藤恵子さん。

DV被害者支援活動が民間の支援団体主導で行われるなか、DV法などが設立され行政もやっと重い腰を上げ各関連機関に対しパンフの配布や講演会等の啓蒙を始めました。北海道でも医療機関に対しDV対応マニュアルなどを3年前に配布しましたが、医療機関からの道立女性相談援助センターに寄せられた相談件数は全体の2%(平成20年度 DV相談件数1597件中31件)にも満たない状況です。医療機関はDV被害者の第一発見者と言われているにもかかわらず、なぜなのだろう?どうすればいいのだろう?これが、この講演会の企画動機でした。

kouen 加藤さんは大阪の阪南中央病院で30年間産婦人科医師として働くなかで性暴力やDVなどの問題に取り組んできましたが、この蓄積のもとに日本初の民間ワンストップセンターとしての機能を持つ「性暴力救援センター・大阪」(Sexual  Assault Crisis Healing Intervention Center Osaka 略してSACHICO)開設に向けて活動しておられました。(2010年4月にオープン)先進モデルとなった韓国のワンストップセンターは性暴力被害者が被害直後から迅速に相談や医療、捜査や法律支援などのサービスが総合的に受けられ、全国の公立病院や大学病院に配置されています。SACHICOも被害直後からの総合支援を目指し、阪南中央病院内に設立され他の関連機関との「女性の安全と医療支援ネット」を構築する予定との事。全ては、被害を受けた女性が出来るだけ早く安心できる場所で総合的な支援が受けられ回復する事を願うため。


kouen 一方、近藤さんは女性の人権活動家として早くからDVの問題に取り組み、1993年に札幌で女性の情報とパワーをネットワークする拠点「女のスペース・おん」を開設しました。1997年には民間シェルターである「駆け込みシェルター」を開設し、DV被害にあった女性や子どもたちの安全と心身の傷を癒し、自分自身を取り戻し新しい人生を始めるためのサポートを行ってきました。その中ですさまじい被害実態を明らかにし社会的支援の遅れなどを指摘し、DV法の制定や改定に力を注いできました。現在はさらに運動を発展させ、性暴力をなくし被害回復をはかるための法律「性暴力禁止法」を作るため全国のネットワーク作りに奔走しています。講演では、性暴力被害の実態や医療機関の役割や連携について具体的なコメントを頂きました。


講演後は質問が途切れることなく続き、うれしい悲鳴でした。本当に関心のある人
たちが聞いて下さり、それで医療の現場が少しでも変わっていけばと願いました。



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