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講演録

:北海道女性医師の会が開催した講演会のご紹介です。
 

平成28年度北海道女性医師の会:総会講演会報告


21017年総会報告書
JCHO北海道病院 長井 桂

Link ノーベル賞授賞式に参加して、「衝動性」の制御研究
北海道大学医学部医学科6年 笹森 瞳さん

笹森さんは4年生の時にストックホルム国際青年科学セミナーに日本代表(!)として、自分の研究内容を世界の若手研究者の前で発表した経験をお話してくれました。
壇上に立ったときには、発表を一から指導してくれた指導教官に感謝するとともに研究者としての自覚が芽生えてきたそうです。

ニコチン性アセチルコリン受容体部分作動性薬であるチャンピックスは大量投与でラットの衝動性を増すという論文から「衝動性」と脳内の神経伝達物質との関連に注目し研究を進めてきたとのことです。内側前頭前野と即座核のドーパミンに対する衝動性の反応の違いがあること、デュロキセチン(SNRI:セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)で衝動性を抑制できることを、選択的反応時間課題を用いて証明していきました。この実験はラットが光った穴に鼻を突っ込むと餌が供給されるという学習をさせるとのことで、光るまでの5秒間待てない状態を衝動性の指標としているそうです。デュロキセチン投与による衝動性抑制作用に関わる受容体がドパミンD1受容体であると突き止めました。臨床につなげる実験についての質問も楽しそうに受け答えしていたのが印象的でした。

現在6年生である笹森さんは卒業後現在の教室に残り、実験に没頭できる日々が来るのを心待ちにしているそうで、根っからの研究好きがよく分かりました。今後の活躍を心から願いますし、その際には再度お話を伺いたいと思います。

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法医学教室の事件ファイル -身近な薬物毒物事件―
旭川医科大学 法医学講座教授 清水惠子先生

もともとは法医学に興味が無かったものの、前教授が「法医学は死者の尊厳を守る仕事です」という言葉に動かされ、法医学の道を志すことになったそうです。今回はまず「法医学」とは何かという導入をお話していただきました。法医解剖は、死亡に対する第三者の関与を検索するので、外傷、窒息、中毒をまず検討し、その後、死因となる内因性疾患を検索するという手順になります。法医学は主に刑事裁判に関わるもので、被告には弁護士が、被害者には検察がついているという図式になりますが、法医学者は常に公正中立な立場でどちらにも偏らず裁判所と同じ立場で鑑定することが重要と教えていただきました。法医学と言えば「法医学教室の事件ファイル」というドラマが有名ですが、「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」という本は旭川が舞台であり本年テレビドラマ化されていますが、その監修も一部行ったそうです。

当初病死と検視・検案された後、実際には中毒死だった症例はインパクトが大きいお話でした。中でもトラベルミン中毒(ジフェンヒドラミン中毒)の例では、トラベルミンを飲んだ錠数が丁度致死量に相当する量であり、完全自殺マニュアルの妥当性に驚きました。イヌサフランをギョウジャニンニクと誤食した事例は、コルヒチン中毒で死亡したと考えられましたが、食べて一日半で死亡した原因をヒト組織の細胞周期を鑑みて腸管上皮と推定したことや、腸管上皮の脱落やバリア機能の低下でエンドトキシンショクがおこったことを確かめた動物実験結果も示していただきました。

最後にレイプドラックのお話を少しだけしていただきました。医師であれば睡眠薬とアルコールで一過性前向健忘が起きて、記憶が欠落することはある程度の常識ですが、警察はそのことを理解していないため、被疑者がレイプされたことを覚えていなかったり、あいまいだということで立件しようとしない事例があったそうです。医学的な知識を一般の人や警察に正しく伝えることで、危険を避けたり、事件を正しく立証したりできることから、今後も日本各地で講演会が予定されているそうです。当会の活動ともリンクする内容であり、本当に内容の濃いお話を感謝いたします。

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平成29年度北海道女性医師の会:総会講演(開催案内)


北海道女性医師の会総会講演会のご案内
日頃、私達の活動に深いご理解とご協力をありがとうございます。これらの活動を通じて、たくさんの方と出会い、学び、そして社会へ貢献できることに喜びと心からの感謝を申し上げます。そして、会員お一人お一人のご活躍が、すべての会員の感動へ繋げ広がることで、彩りを添えることができるよう願っております。また学生会員の皆さまとの繫がりも輝きを増し希望を感じております。会員の皆さま、このたびの講演会もどうぞ楽しみにいらして下さい。
会長 澤田香織

日時  平成29年 4月 15日(土)
    総会   17:00 〜 18:00
    講演   18:00 〜 18:30
    特別講演 18:30 〜 19:30
    懇親会  19:30 〜 21:30
場所  札幌グランドホテル 札幌市 中央区北1条西4
    ※懇親会費は社会人1万円、学生・研修医は無料となっております。

講演1 ノーベル賞授賞式に参加して、「衝動性」の制御研究
    北海道大学医学部医学科6年 笹森 瞳
    座長 JCHO北海道病院 呼吸器内科 長井 桂 先生

講演2 法医学教室の事件ファイル ー身近な薬物毒物事件ー
    旭川医科大学 法医学講座教授 清水 惠子 先生
    座長 社会医療法人 友愛会 恵愛病院 小児科 遠藤 征子 先生

演者略歴:
北海道大学薬学部卒業後に旭川医科大学に入学。医学博士取得後、旭川医科大学文部教官助手(法医学講座)となる。平成14年には文部科学省在外研究員として米国Loyola University Chicago大学に留学、平成17年に法医学講座教授となる。島根大学、東京医科歯科大学、京都大学等の非常勤講師も兼任。

用意の都合上、メール、FAXで、
4/1までに参加コンテンツのご連絡をお願い申し上げます。
また、懇親会以外に関しましては、当日参加も歓迎いたします。

事務局連絡先
事務局【セントラルCIクリニック】塚本 江利子
住所: 060-0042 北海道札幌市中央区大通西17丁目1−27
ホームページ:http://www.hmwa.jp/
メールアドレス:info@hmwa.jp Fax:011-623-1132


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Link北海道女性医師の会 総会講演ご案内(PDF)
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