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「函館・性と薬物を考える会」の紹介

湯ノ川女性クリニック 小葉松 洋子

「函館・性と薬物を考える会」は現在、渡島桧山地区で、性教育や喫煙薬物防止教育の出前授業を行っているボランティアの会です。この会の生い立ちは、函館市の前教育委員で、児島小児科院長の児島宏典医師が、2000年に函館市で開催された第4回北海道思春期研究会で発表された道南地区の10代の人工妊娠中絶率、性感染症罹患率が、全国平均を大きく上回っていたことにショックを受けたことがきっかけでした。

otaru 当時の渡島桧山地区では、主に産婦人科医師が中学や高校に呼ばれて講演会形式の性教育を単発で行い、学校側の取り組みとしては、養護教諭を中心とした性教育授業も行われていたようでしたが、取り組みの程度は学校によって温度差があり、学校側としては講演会に呼ぶ講師の選定、交渉等も、それぞれが独自に試行錯誤しているような状況だったようです。中には「生徒の行儀が悪く、講師の先生に怒られてしまい、次の年もお願いしますとはとても言えない状況です。」という高校の養護教諭もいらっしゃいました。本来は行儀の悪い生徒ほど性教育が必要でしょうし、年に1回の講演会ではどの程度の効果があがっていたのかも微妙でした。

そこで児島宏典医師は教育委員の立場をフルに生かし、医療関係者と学校関係者で性教育の出前授業のボランティアの会を作ろうと呼びかけたのでした。当時産婦人科と小児科から医師6名が参加、その後マンパワー確保のため看護師、助産師等にも呼びかけ、十数人の賛同者がありました。学校の事情を考慮し、学校からの講師依頼はすべてファックス1枚で済むようにし、講師料も原則ボランティア(予算があるので下さるという場合は頂きますが)にし、申し込み用紙を各学校へ配布しました。

また出前授業に出かける意思のある医療関係者には、授業の質の確保と共通の認識で教育をすることを目的に、当時は月1回の研修会を行い(計18回)、より多くの会員が授業をできるように努めました。また会の発足時点に学校側から、性だけではなく喫煙や薬物の防止教育もしてほしいとの要望もあり、主に薬剤師が喫煙薬物防止授業を担当することになりました。

さらに年1回は市民への啓蒙も兼ね、市立函館保健所と共催で全国区の著名な講演者をお呼びして講演会を行っています。特に「夜回り先生」の水谷修先生と京都大学の木原雅子先生の講演は、お二人の強い情熱が伝わってくる感動的な講演会でした。

現在の会員数は医師5名、助産師8名、看護師5名、保健師14名、薬剤師3名、教諭5名、保育士1名、市議会議員1名で計42名という構成です。会員の親睦に飲み食いは欠かせず、総会でも幹事会でも「飲んで食べてしゃべる」が基本です。

函館では2007年に高校生が元同級生から暴行を受け、亡くなるという悲しい悲しい事件がありました。心ある函館の大人たちは、函館が子供達にとって「ここで生まれ育ってよかったな」と思える街になるよう頑張っていると思います。「性と薬物を考える会」の会員達も、一所懸命授業を聞いてくれる子供達から元気をもらいに、出前授業に出かけているのでした。

(平成21年9月記)



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