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:女性医師に関するさまざまな話題をご紹介します。

第3回 医学を志す女性のための
      キャリア・シンポジウムに参加して

しまの小児科 島野 由美

10月25日、東京で開催された日本女医会主催のシンポジウム「女性医師が働き続けられる環境の実現に向けて」に参加して来ましたのでご報告します。
私は本年9月、札幌市医師会の代議員会で女性医師の就業支援事業の要望をした経緯から、女性医師の就業・離職についての現況、法整備、各地方の取り組みなどを知る良い機会と考え、出席して参りました。全国から95名の参加があり、時間いっぱい活気ある意見交換がされました。いくつか印象に残った講演について感想を記します。

1)日本女医会「女性医師の勤務環境の現況に関する調査報告」から
日本医師会男女共同参画委員でもある、秋葉則子先生によるアンケートの結果報告にあった「医師の勤務や労働に関する法律の十分な理解がない。さらに若い女性医師には非正規雇用の立場の人が多く、そのため出産、育児に伴う法の保護を十分に受けられていない。多くの女性医師は、意思決定に関わる立場、指導的立場に女性が少ないことに問題を感じ、男性中心の医療界の意識改革を希望している。」という文言は、私たちがこれから声を挙げなければいけない率直な意見であると思いました。

2)Website「ママはお医者さん」での試み
    ー子育て中女性医師の現場の切実な声
講師の岡崎みさと先生は初期研修終了後に出産し、乳幼児を育てながら三田病院乳腺センターに常勤しておいでです。育児と医師の両立を目指す若い女性医師のためのWebsiteを運営し、その中で挙がった育児中の女性医師の声を紹介されました。育児を終え医師として仕事をしている先輩医師にも是非アクセスしていただき、メンターとしてこれからの若い女性医師を支え、自らのモチベーションの高揚にも役立てて貰いたいと訴えておられました。興味をお持ちの方は、mst3763@yahoo.co.jp にご連絡下さい。

3)Dr.MOM Nursery Schoolを運営して見えてきた保育の課題
講師の池田美智子先生は、私費を投じて、東京都四谷三丁目の近くで女性医師の子供を対象とした保育園を運営されています。月曜から土曜まで最長22時までの保育、看護師常勤の病児保育もあり、3歳以上の園児には英語などの幼児教育もしているという、仕事を続ける女性医師にとっては理想的な保育園です。しかし、対象を女性医師の子供と限定しているため、国や自治体からの補助金はなく、利用者が全額(週6日で20万円)を負担せざるを得ません。この費用を払える女性医師が集中している、都心だから入所希望者も集まり、赤字ながらも経営がなりたっているのかと思いました。地方でも親などのサポートが無けれれば、仕事を継続するためには、保育園+ベビーシッターや家政婦さんを頼む必要があり、個人負担は10数万円に及びます。私は、将来の自分のための投資と思って負担していましたが、安全や安心、継続性といったお金だけではカバーできない保育環境を得るのは、本当に難しいことです。

4)~女性医師を活かせ~医師不足対策の新戦略
地方病院の典型である足利赤十字病院では、地域の基幹病院でありながら一時期大変な医師不足に陥ったそうです。ある女性医師が妊娠中休職せざるを得ない状況になった時、病院は彼女を手放したくなかったので、それまでの就業条件には無かった短時間正規雇用を採用したそうです。以来、病院は女性医師のライフステージに応じて柔軟な対応するようになり、今では十分な数の医師を確保しているとのことでした。法の保護と職場の理解、つまりハード、ソフト両面を保証する経営側の意識は大事なことですが、求められる人材になること、そして働き続けるという本人のモチベーションが何よりも大切なのではないかと思いました。

5)パネルディスカッション
「医師の保育支援のために日本女医会ができること・すべきこと」というテーマで話合われました。参加された厚労省の女性キャリアが『女性医師を活かし、仕事を継続してもらうための行政の役割の認識を新たにした』と発言しておられました。これらの共通の認識をもって、それぞれの立場から内外に強くアピールしていければ、こうしたシンポジウムも成果が期待できるのではないでしょうか。

(平成21年11月記)



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