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:女性医師に関するさまざまな話題をご紹介します。

「犯罪から子どもを守る司法面接法の
      開発と訓練」プロジェクトから

現在私達の会は、理事の堀本江美先生を中心に、10代の性の健康支援ネットワーク<ゆいネット>を活発に展開させています。
子供が性被害に遭ったときにまずは婦人科医が関わるのですが、迅速、かつ適切に対応することは子供を守る上で非常に重要な課題です。

そこで今年度第2回目のゆいネットの会で、子供が被害に遭ったときの面接法である『司法面接』を研究されている、北海道大学大学院文学研究科の上宮愛先生にご講演頂きました。大変参考になるお話でしたので皆様にも知っておいていただきたく、講演内容をまとめて投稿頂きました。

(平成21年12月 守内記)



「犯罪から子どもを守る司法面接法の開発と訓練」プロジェクトから

北海道大学大学院文学研究科 教授 仲 真紀子

北海道大学大学院文学研究科内「司法面接支援室」


JST(独立行政法人 科学技術振興機構)における「犯罪からの子どもの安全」領域の経費支援を受け,2008年10月,「犯罪から子どもを守る司法面接法の開発と訓練」という4年間のプロジェクトを立ち上げました。
このプロジェクトは,事件や事故に遭遇したお子さんから事実をできるだけ多く,正確に聞き出そうという面接法(司法面接法)の開発,基礎研究,そして研修を行うというものです。北海道大学大学院文学研究科内にプロジェクト室として「司法面接支援室」も設置しました。

司法面接とは,子どもを誘導することなく,また,子どもの記憶を汚染することなく,体験した事実をそのまま報告してもらうために開発された手続きです。司法面接は,認知心理学や発達心理学における,子どもの記憶や言語,認知発達の研究をもとに開発されてきました。

面接は,原則として1回だけ,出来事に関する事実の聴取を行います。第1段階は,まず信頼できる関係(ラポール)を築き,わからないこと,覚えていないことは「解らない」と答えること,「本当のこと」だけを話すことなど,子どもに面接のルールを説明します。第2段階では,子ども自身の言葉で自由に報告してもらいます。これを自由報告と呼びます。第3段階では,第2段階の自由報告で出てこなかった情報について,オープン質問(さっきお話してくれた,○○についてもっとお話しして),WH質問(何,誰,どこ等)を用いて面接を行います。最後に,話の内容をニュートラルな事柄に戻し,子どもに話してくれたことを感謝し,面接を終えます。

司法面接の大きな特徴の一つとして,面接を録音,録画するということがあります。録画により正確な記録を行い,子どもが何度も面接を受けなくてもよいようするなど,できる限り子どもの心理的負担を少なくする方法をとります。

本プロジェクトは,研究部門と応用部門からなります。研究部門では,司法面接に必要な記憶やコミュニケーションに関する基礎的な研究を行います。また,国内外での司法面接に関する情報収集,司法面接に関する教材の開発,訓練プログラムの効果測定等も行います。応用部門では,北海道児童相談所,札幌市児童相談所の専門家を対象に年に2回それぞれ4日間(24時間)の研修を行っています。また,毎月定例の司法面接に関する勉強会を専門家の方々と行っています。

今後は,韓国のone-stopセンターのように,一か所で司法面接,法律相談,メディカルチェック,カウンセリング,福祉サービスなどが受けられるような機関の立ち上げも視野に入れながら,研究・実践活動を行っていきたいと考えています。そのためにも児童相談所,警察,小児精神科医,産婦人科医,小児科医,弁護士,臨床心理士の方々との連携を強めていければと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



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